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【芝丸山古墳】東京タワーの麓に古墳があるって知ってた!?実際に行ってみた。

  • 執筆者の写真: コフンねこ
    コフンねこ
  • 2019年3月10日
  • 読了時間: 3分

ハロー!コフンねこです。



僕は今東京都港区芝の『東京タワー』に来ています!わー!



東京タワーと言えば「1958年に完成した、関東一円にテレビ電波を届けるための電波塔」



現在では墨田区の東京スカイツリーにその役割を譲っていますが、完成当時から約30年以上にわたって日本のシンボルであり、また東京都内随一の観光スポットでもある東京タワー。



周辺はまさに都心中の都心。だって港区だもん。



展望台で周辺を見渡してみると、展望台(地上150m)はおろかタワー自身よりも高いビルが林立しているといった感じ。



ヤバイ東京。東京ヤバイ。



ここで問題です!

『この写真の中で「古墳」はどーこだ!?』


東京タワー南東麓の風景。果たして「古墳」は……?

いい?まだ考えておいてね。



なんとなくわかりますかね??










正解は・・・・・・?








ここだぁ!!!

いやわかるかよこんなもん。



前情報なしで探せたヤツがいたら天才だよ。






「古墳」ってなんだ?

古墳―3世紀~7世紀の日本で築造された盛り土または積石からなる墳墓。



鍵穴の形をした前方後円墳っていうのが特に有名だよね。


日本最古の前方後円墳と言われる「箸墓古墳」。

要は「昔の偉い人のおっきいお墓」



しかし古墳に対する一般的なイメージはこんな感じじゃないでしょうか。


  • 遠くから見たら小高い丘にしか見えない

  • 田舎にある

  • 山にある

  • 多分奈良にいっぱいある

  • 都会にはない

  • くさそう


くさいかどうかはともかくそんなに身近な存在ではないはず。



「ほんとに都心に古墳なんてあるの?」



そう思われても仕方ないわな。





というわけで現地に行ってみた。


ココに行ってみました。








港区”芝”の名前を関する『芝丸山古墳』



たしかにかなり地形が変わってしまっているんだけど、れっきとした「前方後円墳」ですよ。


前方部(四角いほう)から後円部(丸いほう)を見る。確かに前方後円墳。

しかも全長106m(一説によると125m)。



都心で全長100m以上の土地を占拠している古墳、ヤバくない?






古墳に登ってみた。

前方部の上。

古墳の上は広場になっているのでめっちゃ登りやすい。



解説看板にもあった通り、江戸時代から広場?だったみたいで(茶屋があったとか)。



で、後円部の墳頂にはこんなものも。


「伊能忠敬測地遺功表」

芝丸山古墳のすぐ近くに存在した「高輪大木戸」という関所が伊能忠敬の日本測量開始地点だったことから古墳の上に石碑が作られたらしい。



「大木戸の石垣が現地に残ってるのに石碑を立てたのは古墳の上」という古墳オタク憤慨の石碑。



でも登っただけで「古墳」と「伊能忠敬」という二つの歴史用語が勉強できるのなかなかツヨイと思うよ……。



(余談ですが、「高輪大木戸」は現在話題になっている山手線の新駅『高輪ゲートウェイ』の名前の由来の一つなんだよ)






芝丸山古墳が伝えてくれる港区の繁栄。

この芝丸山古墳、実は120年以上前に簡単な調査を受けています。明治時代。



調査の担当にあたったのは東京帝国大学理学部人類学教授の「坪井正五郎」先生。我が国の考古学の歴史を切り開いた人物として学史的にめっちゃ有名な方です。


後円部の謎の石。古墳を称える碑らしい。

「出土した埴輪片や墳形の特徴から4世紀後半(西暦300年代後半)の築造ではないか」と坪井先生などが主張した一方で、「もっとあと(西暦400年代)ではないか」とされたりと研究者により見解はけっこうまちまち。



坪井正五郎先生は現在既に開発で消滅してしまった芝丸山古墳周辺の小古墳についても調査されており、その年代は古く見積もっても芝丸山古墳からは100年以上の開きがあったようだとのこと。



おそらくですが、芝丸山古墳の被葬者(つまりお墓の主)を先祖に見立てて慕った一族がその周辺に新たな古墳を造ったのでしょう(「擬制的同祖同族関係」と呼ばれている(土生田2011))。



それだけ芝丸山古墳の主は偉大な王様だった



いずれにせよ芝丸山古墳は「港区がかなり古い時代から栄えていた(有力者がいた)」という情報を伝えてくれる非常に大切な歴史遺産なんですね。



みんなもぜひ行ってみてね。


参考文献―大塚初重(監修)2010『東京の古墳を歩く』祥伝社

    ―土生田純之2011『古墳―歴史文化ライブラリー319』吉川弘文館


(コフンねこ)

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