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偕楽園周辺に潜む無数の洞穴を現地探索!?その謎を追ってみた①

執筆者の写真: コフンねこコフンねこ

更新日:2019年7月2日

茨城県水戸市偕楽園ではこの3月に『水戸の梅まつり』が開催されてます!



水戸徳川家の壮大な庭園・偕楽園に咲く梅・梅・梅……。





今年は水戸偕楽園が無料で入園できる最後の年。梅まつりにもたくさんの人が集っていました。


 

そんな偕楽園には「南崖の洞穴」と呼ばれる謎の洞窟があるんですよ。


これが「南崖の洞窟」。

この洞窟には「かつては水戸城まで続く地下通路だった」とかいう伝説があって……。




え、なにそれめっちゃ気になるんだけど。




てなわけでちょっと【水戸市偕楽園周辺の洞窟】について現地調査を実施しました。





偕楽園南側に広がる崖と「南崖の洞窟」


偕楽園の南側、ちょうど常磐線の線路に向かい合っているところは崖になってます。めっちゃ崖。二時間サスペンスに出そうなくらい崖。



この崖は常磐線の線路を超えて更に南側に広がる「千波湖」という湖の侵食作用により形成された湖岸の段丘。


これが千波湖。ボートで遊べる。

「南崖の洞窟」と呼ばれる謎の穴はそんな崖に開いている。



危険防止のためでしょうか、中には入れません。が、フラッシュで頑張って撮影しました。



天井はノミで丸く滑らかに整形されており、まあまあ奥まで続いているみたい。



いったい誰が何のために?



ほんとに水戸城まで続いてるの?




実は無数に存在する洞窟。

偕楽園の内部ということ存在が広く知られている「南崖の洞窟」。



しかし今回の調査では偕楽園の内部以外にも千波湖の湖岸段丘には無数の穴が開いているのを観測できた。


偕楽園周辺案内を見る筆者。実はこんな顔してます。

まずは偕楽園の側にある駐車場の一角。ここには南崖の洞窟以上に大きな穴が開いていました。



口は大きいが奥深いわけではなく、入り口の整形方法が若干南崖の洞窟とは異なる様子。




便宜上この穴を①としましょう。



そしてそのすぐ側にはこれまた謎の祠が。



この穴とは関係があるのか?





我々は更に偕楽園を離れ、水戸駅の方向へと進む。



するとマンションの駐車場には驚愕の光景が……!






ここにも4つほど穴が空いていたのです……!



偕楽園に近い側(つまり我々の発見順)に②③④⑤としましょう。



特に④⑤はヤバイ。クソデカイ。



遠くから見ても一般的な男性の2人~3人分くらいありそうな高さ。



自然地形と思うなかれ、先程見つけた①とかなり似た整形がなされているみたい。



紛れもなく人工の穴。



なんなんだこれは……。




偕楽園の梅まつりを見学した後の現地調査で見つけられたのは①〜④の4つの洞窟。



これ以上先はマンションの敷地またはJRの敷地になっており、我々は入ることができなかった……。



しかし後日、常磐線に乗車して未踏査だった区域を電車の窓から確認すると、


右側から⑨⑧

右側から⑦⑥

こんな感じで4つの穴が新たに見つかりました(てかこれを先に見つけてたから調査を始めたんだけど)。



とりあえずこれら線路脇の穴にも通し番号をつけて⑥〜⑨ということにしちゃいましょう。




したがって今回の調査では偕楽園内部の「南崖の洞窟」を含め10コの穴が観測できたことになります。



グーグルマップにプロットするとこんな感じ。



千波湖の湖岸の段丘に開く大小の無数の洞穴。



その正体は一体……?




絵図にも描かれた無数の穴。

僕は最初これらの穴を「防空壕」だと思った。



戦中、空襲から身を守るための穴である防空壕。地下室のようなタイプや水戸の洞窟に似た横穴タイプまで様々存在したことが知られています。



実際戦中には水戸にもかなり大規模な空襲があったので、その際の遺構ではないかと考えたのよ。こりゃなかなか筋の通った推論のはず……。




実際は全然違った。



こちらは昭和5年に鳥瞰図絵師(そんな職業があるのかよ)の吉田初三郎が描いた「水戸市鳥瞰図」



水戸市の全景が描かれた日本近代らしい絵図、これを拡大してみると……



現地調査で①〜⑨の洞穴を発見したあたりに、計11個もの穴が描かれている……!?



そう、戦争のだいぶ前からこの謎の洞穴は存在していたのです。



「防空壕である」という推測が間違いだとすると、ますますその正体は謎に包まれる。



まさに謎が謎を呼ぶ状態だ……!



(後編へ続く)

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