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【柴原阪大前】大阪モノレール柴原駅はなぜ駅名を変更するのか?

執筆者の写真: コフンねこコフンねこ

更新日:2019年7月31日



どうも、Our Local編集長のコフンねこです。



僕は大阪府豊中市に所在する「大阪大学豊中キャンパス」に普段通っているのですが、最近、自分の大学にかかわる重大なニュースが飛び込んできました。


 

大阪モノレール

10月1日に改名「柴原阪大前駅」

 

大阪大学豊中キャンパスの最寄り駅である、大阪モノレールの「柴原駅」が「柴原阪大前駅」にその名を改めるらしい!?





以前Our Localでは、同じく阪大豊中キャンパスの最寄りである阪急宝塚線「石橋駅」が「石橋阪大前駅」に名称変更するとのニュースをいち早く考察しました。



 

 

僕は正直「反対」のつもりで『石橋阪大前駅』の話題を取り上げたのですが、どうやら本当に変更されちゃうみたいで。


 

阪急石橋駅

「石橋阪大前」へ 

109年の駅名変更

 

そういえば、大阪大学外国語学部の新キャンパスの最寄り駅(北大阪急行線新規開業区間)も「箕面船場阪大前駅」を名乗るそうな。


 

北大阪急行電鉄、

新駅は箕面萱野駅・箕面船場阪大前駅に正式決定

 

すなわち、元々阪大吹田キャンパスの最寄り駅である大阪モノレールの「阪大病院前駅」と合わせ、今後『阪大前』を名乗る駅が一気に4つになるわけだ。ってか……






「一体なぜ?」





今回は、「柴原阪大前駅への名称変更」を題材に『なぜ駅名に「阪大前」と付けたがるのか?』を検証していきたいと思います!




そもそも「柴原」とはどんな街か

柴原(しばはら)は中国自動車道沿いの閑静な住宅街です。狭義には豊中市柴原町のことなんですけど、大阪モノレール「柴原駅」を中心に柴原町・待兼山町・刀根山町の一帯を指すこともある。


蛍池駅付近から見た柴原一帯の街並み

街の建物の大半は民家やマンションといった住宅で、商業施設としては飲食店やコンビニが多少見受けられる程度。



この落ち着いた雰囲気に魅かれたのか、はたまた彼らがそういう雰囲気を形成しているのか。一部エリアには一戸建て庭付きの高級住宅街や、市立豊中病院なんかもあったり。


柴原駅からは市立豊中病院が見える

ザ・歓楽街!ザ・学生街!の雰囲気をガンガン醸し出している石橋の街と比べると相当穏やかで静かな街と言えるんじゃないかな。



とにかく、阪大豊中キャンパスの正門に最も近いのはこの柴原エリアです。


大学正門の前をモノレールが通る。

実際に柴原駅周辺に住んでいる学生は結構います、なんせ大学に近いし落ち着いてるから。




そんな中で、大阪モノレール柴原駅は中国自動車道の真上に浮いている……





「柴原阪大前」への名称変更のメリット

「石橋阪大前」の場合と違って、今度は僕も賛成です。だって大学に一番近いんだもん。


その名も「柴原口」。ここから徒歩1分。

大学から徒歩10分以上、下手すりゃ20分かかる駅を「〇大前」と呼ぶのは正直どうかと思いますが、柴原駅の場合は本当に近いのでセーフ。



それだけじゃありません、


①悪用の心配が少ない!

②立地的な利便性の増加


パッと考えたでも2点ほど名称変更のメリットを思いつきました。


 

まず「①悪用の心配が少ない!」について。



「○○阪大前」のような大学の名前が付随した駅を設けるときに最も注意すべきは、「◇◇駅前店」です。



たとえば「△△居酒屋 柴原阪大前店」「オカルトの館 柴原阪大前店」「おさわり天国 柴原阪大前店」……とか。



こういったお店を「下品だ」と言っているわけではありません。



ただ、『阪大前』と付くお店がまるで阪大と何か関係があるように受け取られてしまうとか、お店側が阪大と関係があるかのように振舞うのは問題じゃないかな、と。



イメージダウンに直結しますもん。


ディズニーのイメージダウンを避けた好例、舞浜駅。

その点商業施設がそこまで多くなく、閑静な住宅街が広がる柴原に関してはそういった心配はかなり少なそう



別に「だから安心」ってわけでもないし、逆にそういうお店ができたら面白い気もしますが……


 

そして②立地的な利便性の増加について。



『柴原阪大前』を名乗る―その効果は結構ある気がしています。



これまで柴原駅は正直影の薄い存在でした。


授業終わりの時間、阪急宝塚線なら大混雑だが、モノレールは割と余裕ある。

大阪の中心の一つ・梅田から直通しており、箕面線との乗換駅でもある阪急宝塚線石橋駅と比べたらその差は歴然です。




“あれだけ近いのに、

あまり使われない”




「石橋駅」から大学までの所要時間は10~20分。最寄り駅からそのくらいの距離、というと”阪大のアクセス面は一体どうなっているんだ?”と普通の人なら思いますよね。


一番近い「柴原口」その2。

そういう人に限って柴原駅こそが“真の最寄り”であることを知らない。



柴原駅の存在を『阪大前』という単語一つで世の中に喧伝できれば、「阪大むっちゃアクセスしやすいやん!」と思われるかも。



阪大の学生や関係者による柴原駅の利用回数が増えるだろうし、名前に魅かれて柴原周辺に住む学生も増えるでしょう。


駅から見た柴原の街並み。

それは単純に「モノレールの利用者増」にも繋がりますよね。



「利用者が増える=運賃収入アップ」ですし、阪急宝塚線の混雑緩和にも貢献できる。



売り上げが上がれば、これまで維持費にたくさんのお金をつぎ込むため高価格に設定されてきたモノレールの運賃が安くなるかもしれない……(正直可能性は低いけど)?



もしこんな夢みたいなことがあったら、学生だけじゃなくて地域住民の方々にもメリットが生まれます。名称変更バンザイ。




名称を替えると困ることも

では手放しに「柴原阪大前駅」を絶賛して良いのか?と言うとそうでもない。



メリットもあればデメリットもある。困る人が一定数出てくるのもまた事実です。



もともと柴原駅には「(市立豊中病院前)」という副駅名が付いています。




『次は柴原、柴原。市立豊中病院前です』ってな感じで案内されるアレ。



このまま「柴原阪大前」へと名称変更をした場合、「阪大前」と「市立豊中病院前」が併存することになってしまうのです。ややこしい。



先述の通り、大阪モノレールには「阪大病院前駅」もあるんですよ。



ってことは『阪大前』と『市立豊中病院前』と『阪大病院前』、、、



……ややこしさの極み。



モノレール利用者の中には、豊中病院や阪大病院(吹田市)に通院されている方やお見舞いに向かわれる方もいらっしゃるわけで。



「利用客にとって必要な情報は何か」「緊急性の高い情報は何か」を考えたときに、阪大よりも病院が優先されるべきではないかと。



このまま名称変更しても、そういった病院・病気がらみでのトラブルが無ければいいですね……




なぜ「阪大前」を付けたがるのか?

問題があるとはいえ、駅名に「阪大前」をつけることで地域と大学の結びつきを強化できるのは事実です。



大学としては立地的な利便性をアピールできるし、知名度向上にもつながる。利用者にとっても『阪大前』のアナウンスにより利便性が高まる。なおかつ利用者も増える



まさにWin-Win



今後、『阪大前』が付く駅を擁する地域と大学との間で何らかの協力体制やイベントなどが興るように思われます。



それもまた、阪大と地域との双方向的な利益につながりますよね。




あくまで憶測ですが、狙いはそういった展開で得られる『ブランドイメージの向上』にあるのではないでしょうか。



「大学に近い駅がある」って、感覚的にはむっちゃ良い感じするもん。





“地域に生き世界に伸びる”




なんせこれが大阪大学のモットーです。これからも地域と大学の結びつきを強化するような試みはどんどん行われていくことでしょう。



そういった取り組みの一つがたまたま「柴原阪大前」だっただけ。



真の狙いは、地域と大学の双方向的なメリット―ブランドイメージの向上


早朝、モノレールが柴原駅にやってきた。

名前が変わることに対して何らかの嫌悪感を示す方もいらっしゃるはずですが、ここはひとつ、阪大と地域のイメージ戦略を温かい目で見守ってみてはいかがでしょうか?



ではまた今度!

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